2025年1月16日(木)、出島メッセ長崎(長崎県長崎市)において「ながさき食のメッセ ~しまの産品振興プロジェクト成果報告会及び展示商談会~」が開催されました。

このイベントは、2020(令和2)年度から長崎県と当協会が連携し、会員企業のみなさまをはじめ多くの方のご協力を得ながら取り組んできた、離島4島(五島、新上五島、壱岐、対馬)の生活基盤、生産基盤、バリューチェーン(販路確保)の拡充と島の活性化についての成果報告、また、長崎県全域の産品の周知・販路拡大を目的に開催されたもので、展示商談会としてはこれまでにない県内最大級のものとなりました。

この充実の一日を、前編(成果報告会)・後編(展示商談会)に分けてレポートします。

会場の大きなホールには、県内各地の事業者・生産者、日本各地のバイヤー、ベンダー、メーカーなどの食の関係者、総勢550名が集結。ロビーにもたくさんの人が行きかい、開会前から静かな熱気と興奮に満ちていました。

第一部の成果報告会。会場が暗転し、前方の大きなスクリーンに映像が映し出されました。これは2022年に制作された動画で、協会発足からの2年の歩みがまとめられています。

協会の理念、取り組み、これまでの活動が映像とナレーションで紹介され、初めて協会を知るという方にも、「離島振興地方創生協会とは何か」を理解していただけたと思います。

会場の雰囲気が温まったところで、大石賢吾 長崎県知事による主催者挨拶です。

これまでの離創協の取り組みで、島の生産者・事業者の売上増加、有名企業とのコラボ商品発売など、普通に暮らしていては起こりえないことが起きている。来年度以降は島のみならず長崎本土においてもプロジェクトを展開したい、長崎の美しい自然とそこで育まれる素晴らしい食材=宝を全国に広め、県をすみずみまで元気にしたいと話され、各自治体に参画を呼び掛け。「離創協ならびに会員のみなさまには引き続き離島ならびに県産品の振興にお力添えください」と締めくくられました。

知事の、長崎県を「食の大国」にしたいという熱い思いに気持ちが引き締まるとともに、これまでの協会の取り組みをきちんと見ていただき、高く評価してくださっていることを知り、大変うれしく思いました。

続いては、山川信彦 十八親和銀行頭取から応援メッセージです。

山川頭取は、離島においては協会と会員企業の尽力で、都市部の消費者に産品を知ってもらうことができていると説明。いっぽうで、輸送コスト等が高騰していく昨今は、地産地消で経済循環を活性化させることも大切になると話され、その一例として食が観光の高付加価値化の鍵になると語られました。豊かな自然・歴史・文化・人々の暮らしによって育まれてきた長崎の食と食文化を活かした地方創生は、地域と地域経済の活性化を牽引する力強いエンジンとなる。「食の地方創生」が成功することを心から願い今後も様々な形で支援、応援していくとの言葉をいただきました。

「食が観光の高付加価値化の鍵」という地元に根付いた銀行家ならではの視点と、心強いお言葉をいただいたところで、2回目の成果報告動画の上映です。

こちらは昨年制作され、昨夏の定時社員総会・懇親会で初上映されたもの。ナレーションは入らず、各生産者さんの声だけで構成されています。先ほど上映された2022年版とのコントラストで、その後の2年間の歩み、進み、そして、築いた信頼が伝わってきます。

最後は当協会理事長 千野によるこの5年間の成果報告です。

関係者各位、ご参加各位への謝意を述べ、協会設立の経緯、離島4島(五島、新上五島、壱岐、対馬)の1次産業、6次産業に力を注ぐに至った考えを説明したのち、

「私どもの立ち位置というのは、地方もしくは離島の生産者、もしくは自治体のみなさまと、 私どもの会員企業、これらの触媒となって様々な問題を解決していく、結果として食品産業を活性化させるという構図です。大きくは、バリューチェーン(販路確保)、生産基盤、生活基盤、この3つを大きな軸として進めてまいりました」。

協会発足以来大切にしてきた、3つの軸を会場の皆さまと共有。

そして、展示商談会回数、訪島会員企業数、協会が訪れた事業者・生産者の数、島の産品を使った開発商品数など、この5年間の実績を実数で報告(詳細下記参照)。その数の多さに、驚きの表情を見せる方もいらっしゃいました。

続く、現在進行中の各プロジェクトを紹介には、その規模の大きさ、緻密さに会場には感嘆のため息が漏れています。

最後は今後の展開とあいさつです。

「離島も本島も本質的な問題は何ら変わらない、これが結論です。離島で培ったハウツーを長崎県全域に広げる。基本的には産品を県外で販売していく。商品を組み立てる際も、離島のものに加え各地の産品も加える。それにより相乗効果が増す。離島を引き続きバックアップするという意味においても、さらに私どもはエリアを拡大していきたいと思っております。本日は遠方からお越しいただいたみなさまに、展示商談会をご覧いただきます。生産者の方々も非常にワクワクされていると思います。みなさまが長崎に来てよかったなと思えるような出会いを、展示商談会となることを祈念しております」。

来年度以降の大きな展望が見え、会場からは大きな拍手。約1時間に及んだ成果報告は盛会のうちに終了することができました。

<5年間の実績>
展示商談会:18回
展示商談会に参加した島の生産者数:344生産者
協会が会員企業とともに訪島した回数:128回
訪島した会員企業数:170社
協会単独で訪島した回数:142回
協会が訪れた生産者:873生産者
商品開発:70点超

「ながさき食のメッセ」開催レポート~後編(展示商談会)~へ続く