アオサは売れる。いろんな形で、
この島で広がりを持ってなにができるかを考えたい。

アオサ養殖を始めて3年経って、
これからの夢とか、描いている展望などはありますか?

アオサの商品づくりは腕力のない女性や年配の方、もちろん若い方にもできる作業なので、僕らだけではなく、本業をしながらアオサのパック詰めをするとか、たとえばうどん屋さんの一室で異物除去してパック詰めするとか、そんなふうにいろんなところでいろんなアオサの加工をする方が増えるといいなと思う。本業が忙しいときは本業を、暇なときはアオサ詰めようぜ、みたいな。選択肢の一つとしていまの生活を崩さずにできるものなので、この島でいろんな形で広がりを持っていけたらいいと思います。

そのためには自分もメソッドを確立して、自分で自分をプロフェッショナルとして認められるところまでしっかり持っていかないといけない。正直、手探りで始めて、ようやく今年形になって、離創協さんにいろいろな方を連れてきていただいて、徐々にこれから広げていく中で、自分は自分が生産したものを売るだけでも生活はできますが、また違う形で、行政とか、携わっている方たちとなにか島全体でできることを考えたい。

実際、行政さんとかに入ってもらって催事場などでアオサを売ると1日で20〜30パックは売れるんです。なかには追加注文も入ることもあるくらい。だから、スーパーマーケットさんもいいんですが、対面で伝わるような場所で的確に売っていくというのもやっていけたらなと。あとは、1人集中的に都心部の催事を回るとか、車に在庫を積んで九州管内の道の駅を徹底的に毎日回るとか、ちょっと違う角度でも一度試してみたい。

1パックを1,000円で売るか1万円で売るかは自分次第というか。どこでその価値を認めてもらうかはお客様に手に取っていただくとことが第一歩だと思うので。広い視野で見て、そして高いところにピンポイントに売っていく。そのためには質を上げないと。そこまでできれば、将来的にみんなが生産量を上げてきたときに僕らもいろいろ教えたり、伝えることができるじゃないですか。そういうメソッドを確立したい。

僕は汗水たらして作ったものを、入札とかで売りたくはない。売り手も対等に買い手を選ぶことができる、そんな時代にしていきたいなと、そのくらいの心意気で真剣に取り組んでいます。

ブランド化が必要ですね。

五島列島で作ったというのがブランドになると思います。だから僕らは、その名前に恥じないように、五島列島とつけたからには名前倒れにならないように、そこは気持ちを引き締めて作らないといけないと思っています。

だから本当は、オレら生産者が一流にならないといけないんです。従業員一丸となって、仕事に対する思いや向き合い方を極めていく。オレらが作るんだからいいものに決まってるだろ、くらいの覚悟でいかないとダメです。そうやって一生懸命作ったものを食べてもらえたら嬉しいです。