【会社名】壱岐オリーブ園株式会社
【住所】〒811-5136 長崎県壱岐市郷ノ浦町片原触1190
【主な事業内容】農業生産・オリーブ園運営・オリーブ関連製品の製造
【HP】こちら
【取材先】立山明德(代表取締役)
※初回取材:2022年
追加取材:2024年
オリーブの良さ、スーパーフードの魅力に注目
――どんな事業をやっていますか。
主な事業は、建設業や不動産業です。その繋がりで病理学の先生と出会い、オリーブの良さを教えて頂く機会があり、やってみようと思いました。今はオリーブの栽培から加工をしています。オリーブの実は、オリーブオイルや新漬けに。また、実だけでなく、オリーブの葉は近年「スーパーフード」と呼ばれ、健康・美容・癒しに役立つ製品を開発し、取り扱っています。

――オリーブの葉はどのように利用しているのですか。
オリーブの葉には、高い抗酸化力を持つ「オリーブポリフェノール」という成分が多く含まれており、ワインの約26倍もあることがわかっています。栄養素を壊さずに粉末化することで、様々な商品の開発を可能にしました。例えば、お茶や料理に使える「オリーブリーフパウダー」をはじめ、長崎産生姜と合わせた「ジンジャーシロップ」、オリーブ葉エキスを配合した化粧品ブランド「ikicael-いきかえる-」などを販売しています。

「人の手で育て、選びぬいたもの」にこだわる
――オリーブを生産するにあたってのこだわりはありますか。
すべて手作業、手作りです。他の産地では収穫に機械を使うのが普通のようですが、うちでは実も葉もすべて1つずつ、1枚1枚、手摘みでやっています。人間の手で、見て触って厳選したものだけを製品にしています。草むしりも除草剤は使わず、手作業でやっています。
また、壱岐は風が強い島。この潮風によって土壌のミネラルが豊富だから、ほかの土地のオリーブと比べても成分はここが1番いいと言ってもらえています。

島の農業を元気にすることで島全体を元気にしたい
――みなさんにどういう風に伝えていきたいですか。
うちでは、利用者に合わせて様々な商品があります。例えば女性には、オリーブパウダーをつかった泡洗顔。おかげで妻は肌がもちもちです。家族連れの方には、手摘み体験などの体験型もおすすめです。今後は年間を通じて楽しめるように、様々な果樹の観光農園もやろうと考えています。体験してみないとわからないこともいっぱいあるので。

――新しいものにどんどん挑戦されている印象ですが、その想いの出どころは。
壱岐に雇用の場を作っていきたいという想いです。まずは自分が取り組む姿を、島内の人にも示すことで、この仕事もお金になるんだと伝えたい。そうして、壱岐で農業に取り組む人を増やしたいなーと思っています。先日は障がい者施設の人にも来てもらって、作業できるか試してもらいました。農業を元気にすることで島全体を元気にしたいですね。

島には埋もれているものがたくさんある。壱岐をオリーブの島に。
―社団に期待することがあれば教えてください。
壱岐の島にも他の島にも埋もれているものがたくさんある。大量生産はできないが、いいものを紹介して広げてもらいたいです。できるかどうかは別にして、ぜひアドバイスがあると嬉しいです。
また、もっと島の人にオリーブの産業があることを伝えていきたいです。土の上を歩くという健康面も一つの目的です。地元の人の元気を作っていきたい。個人ではできることは限られてきますが、地元の人が何人も取り組んでくれることで、壱岐はオリーブの島と言われることを目指しています。

~2年が経ち、立山 明德さんにあらためてお話を伺いました~
観光で来たお客さまから「搾りたてのオリーブオイルがほしい。本物がほしい」という意見があったとですから、搾油機をイタリアから取り寄せているところです。搾りたてを無濾過で飲んでもらう。やっぱり雑味がありますけど、それがいいとですよね。
今年のオリーブリーフパウダーは非常に色がいいですよ。違う採り方をしたものですから。木の上のほうの葉は成分が薄いとですから、下のほうのを採らにゃならん。そうやって今年は正月明けすぐ、1月に収穫したとです。寒い時期ですから成分も凝縮してるとです。強いのを採ったとですよ。パウダーの作り方もちょっと変えて、そしたらいい色で、栄養価も高くなったとです。
そうやって採り方から工夫しているものですから、どうしても値段は高くなるとです。量産して安価なものを作ることもできますが、そうすると木屑が入ったりして品質が落ちます。価値が落ちるとです。原価率を下げたほうがいいとは思ってますが、いまのやり方ではそれは難しいです。
入浴剤やフェイスマスクなど新商品の開発も日々進めていますし、地元の高級ホテルなどのアメニティにも化粧品が採用されています。高価格帯の贈答品やお土産についても相談を受けたとですから、それに合うギフトセットも作りました。商品には自信があるので、あとはツテと交渉力が必要です。私はその2つがないけんが一番の問題です。離創協には、その部分で頼りたいです。