取材先:農業生産法人 株式会社アグリ・コーポレーション
佐藤 義貴(代表)
商品:山崎製パン㈱の「ランチパック安納芋あん」

新商品は、どのような経緯ではじまったのですか?

代表)毎年フードストアソリューションズフェア(FSSF)に参加しているのですが、昨年2020年度は離創協のブース枠で出させて頂きました。そこで、協会の会員企業も多く参加され、山崎製パン様とお会いする機会を得たのがはじまりです。

その後、山崎製パン様の会社に訪問させて頂き、2021年の1月にはサンプルをお送りし、3月には試作もほとんど完成できました。通常、商品開発は2~3年かかると聞きましたが、今回は6月に発売したので、約半年で商品が完成したことになります。

商談の支援をして頂いた千野理事長からもこんなに早いことはないぞ」と、激励の言葉をいただきました。

代表)あまりにも発売まで期間が早かったので、さつまいもペーストの供給量を心配していたのですが、山崎製パン様は事業部制で販売されるということもあり、供給量を調整させていただき、今回は関西限定販売となりました。しかし、実際に商品開発を進めていく中で、私たちの在庫量を踏まえるともっと販売できることもわかり、今後の商談に活かしたいと思います。

商品販売により、どのような効果がありましたか?

代表)協会、そして長崎県・五島市がPR活動をして頂いたこともあり、五島の人から「山パンで売ったんだね!」というお声を頂きました。また、私は関西でも直売所を経営しているのですが、関西の仲間やスタッフからも連絡をもらい、商品が発売されたことを身をもって実感しましたね。もちろん、アグリ・コーポレーションの従業員のみんなも、自分たちの仕事が商品として目に見える形になったので、とても喜んでくれました。

—–離創協のSNSでも、北海道在住の人から「その商品はどこで買えますか?」という反響を頂きましたよ。

代表)今回は関西限定ということでしたが、関西の仲間・スタッフも商品を探しに行ってくれました。実際に、販売店を回ったところ、売切れになっており、嬉しかったですね。味についても、五島の芋はこんなにおいしんだということを実感しました。山崎製パン様が味を整えてくれて、とてもおいしかったです。ちょっと焼いた方が、香りと甘みも出て、さらにおいしく召し上がれます。


代表)また、なにが嬉しかったかというと、商品パッケージに写真を入れて頂いたことです(パッケージには、佐藤さんの写真と協会のマークが記載されました)。協会の協力もあり、アグリ・コーポレーションの名前を発信でき、多くの皆さんに知ってもらえることができました。

協会と関わって、どのような点が良かったですか?

代表)経営的な面でいうと、商品を販売できたことで、売上面でプラスになりました。
それ以外の面でいうと、私はこの地でさつまいもプロジェクトを5人の農家さんと立ち上げ、座長をさせて頂いているのですが、一緒にやっていこうという仲間ができたことです。生産・販売について、お互いに足りないことを補える関係になっています。

代表)さつまいもプロジェクトを通じて、私自身の意識が一番変わったのですが、損得を超えて行動することを意識するようになったことです。私自身は他のメンバーの芋の品質が良くなって、「芋をつくってよかったな」と思ってもらえることが、活動の原動力です。そのきっかけをつくって頂いたのが、協会の皆さんだったことは間違いないです。

❹今後、取り組みたいことはありますか?

代表)少しずつ会社が成長する中で生まれてきたビジョンは、「オーガニックをプラットフォームとしたまちづくりを、三井楽町で行いたい」という想いをもっています。

「オーガニックをプラットフォームにする」ということは何か。これから中身を考えていく必要がありますが、当社としてまずできることは野菜をつくるということ。この地をさつまいもの一大産地化にしたいと思っています。そして、産地で一次加工を行うことを、より広く深く行いたいと考えています。

生産の土台をしっかり作りながら、「オーガニック」というキーワードに様々なプロジェクトがぶらさがり、まちづくりに発展していけると良いですね。

開発担当者の声
担当者:山崎製パン㈱ 広域流通関西営業部 宮下祐佳

「生産者の方の想いを直接聞き、何かお役に立てることはないかと思い、商品開発を行いました。アグリさんの安納芋は、スイートポテトのような食感、甘さに驚きました。商品に関しても、今までより芋の味がする、ほくほく感があるというご意見をいただきました。また、このランチパックは焼いた方が美味しいとネットで紹介してくれた方もいました。」