【会社名】株式会社 鯛福
【住所】〒853-0013 長崎県五島市上大津町304番地
【主な事業内容】鮮魚卸売業・小売業・運送業
【HP】こちら
【取材先】永田和也(代表取締役)


福江島に上がった良質な魚を全国に出荷

――どんな事業をやっていますか。

(株)鯛福は、五島市で鮮魚の仲卸業や運輸業を行っています。創業60年。祖父、父から引き継ぎ、私が3代目となります。

福江島に水揚げされた魚を競り落とし、福岡をはじめ、全国に出荷しています。SNSの普及で市場を通さない流通が増え、市場にも力を入れながら、五島の漁師のためにその他の魚の販路開拓にも力を入れています。鮮魚の輸送に加え、キビナゴの冷凍をはじめとした加工処理も行っており、売り上げは市場と市場外とで半々くらいになります。


リアルタイムで浜の情報とお客様を繋ぐ

――生産にあたり、素材や製法・工法へのこだわりがあれば教えてください。

新鮮な魚を目利きし、お届けすることです。良い魚でも多く出回っているときは安くなり、またその逆もあります。お客様から要望をきき、こちらからは魚の写真を撮ってSNSで紹介するといった「リアルタイムで浜と情報を繋ぐ」ということもしています。五島で競り落とした魚は、翌日午前中には東京に届きます。

漁師の人間性が魚に出る

――新鮮な魚を目利きする秘訣は何ですか。

新鮮な魚を選ぶ上で大事なのは、漁師を知ることです。漁は天候にも左右され、天気が悪いと魚は減ります。漁師によっては、釣れていても天気が良いときにはあえて出さず、天気が悪いときを待って出す人もいる。当然鮮度は落ちます。他にも、釣り漁なのか定置網なのか刺し網なのか…。漁師の人間性は魚に出る。だから、漁師を知り、信頼できる漁師の魚を選ぶのが一番です。

食の安全性という意味では、最近、アニサキス(生の魚に潜む寄生虫)が問題になっていますが、当社が扱った五島の魚ではこれまで一度も出ていません。これは「五島が安全・安心をうたえる漁場である」ということだと思います。

若い人にとって、(株)鯛福を一つの選択肢にしてもらえる会社に

――もっとみなさんに知ってほしいことはありますか?

もっとグローバルに、海外を見据えていきたいと思っています。国内は既に飽和状態。一方、こちらの情報が海外には繋がっていない。これからは海外への販路をつくることで、こちらの産地の生産者を増やしていきたいですね。

島外からも、「五島の漁師は儲かる」というブランドをつくって、島外からも人が来るようにしていかないといけません。

現在、(株)鯛福では20代のメンバーが半分を占めます。やっぱり、若い子が島の外に出ていってしまうのは防ぎたい。(株)鯛福を将来の一つの選択肢にしてもらえる会社にしていきたいと思っています。そのためには、人が集まってくる社長じゃないと。これからはやり方次第、やったもの勝ちです。

――最後に社団に期待することがあれば教えてください。

社団には非常に期待してます。千野理事長の想いや取り組みは本物だと感じ、このチャンスを逃してはいけない。売り先が広がる中で、どうアプローチできるか。アグレッシブにやっていきたいです。現在、売り上げは年間8億円ですが、10億、15億と拡大し、ゆくゆくは50億を目指したいと思っています。