【会社名】有限会社 勝栄水産
【住所】〒853-2301 長崎県南松浦郡新上五島町若松郷621-47
【主な事業内容】魚類養殖業(ハマチ・マグロ・ヒラマサ)
【HP】こちら
【取材先】安藤翔平(代表取締役)


この恵まれた自然が、美味しさを育てる

――どんな事業をやっていますか。

ぶり、ヒラマサ、クロマグロの養殖です。祖父の代から始めているので、創業から50年で私が3代目です。

元々、この若松島周辺はイワシなどのエサが豊富に獲れて、潮の流れも速く身が引き締まった魚が育つので、ぶりの養殖をするのにとてもいい環境だというのがありました。それが始めたきっかけだそうです。現在は6業者くらいですが、その当時は100社もの養殖業者がいたそうです。

魚種ごとに担当を決めて、毎日徹底管理しています。エサの種類も全部違います。養殖はエサがすごく重要で、毎日新鮮なエサを、適正な量与えること。潮の流れが速いおかげで、海水もよく入れ替わり、水質も全く心配ないです。

上五島の椿油で育つ、健康で美味しい「勝ちぶり」

――「勝ちぶり」について教えてください。

昨年コロナ禍があって、一気に魚の単価が下がってしまい、差別化できる商品をつくりたいと考えていたんです。その時に、島の椿油を使うというアイデアが生まれました。何度か餌屋さんと調整し、出荷する2~3ヶ月前からあげることにしました。

実は、椿油にはオレイン酸という成分が含まれていて、抗酸化作用があり、魚の血合いの色上がりを遅くさせるのです。しかも、オリーブオイルよりもオレイン酸が豊富なので、より効果が出る。実際に椿油配合のエサで育った魚を研究機関に調べてもらった所、品質がよかったので、これでいこうとなりました。

「勝ちぶり」という名前は、出荷時期が受験シーズンと被っていたので、縁起の良さに期待しました。実際に、縁担ぎで買われるお客さんも多かったみたいです。バイヤーさんからは脂が乗っているが、さっぱりとした味わいという評価をもらっています。

※HPよりお写真をお借りしております。

今こそ、一致団結していきたい

――今後、思い描いているビジョンはありますか?

地元で愛される企業でありたいです。何の仕事をするにしても、上五島の方々の助けがないと成り立たない仕事なので。まずは地元の方々に美味しいと言ってもらえるように、がんばりたい。それから島外、県外にいきたいですね。

ぶりの養殖に関しては、業者数も少なく、まだまだ連携がとれていないので、一致団結で協力したら、できることが増えると考えています。ちょうど私と同世代が家業を受け継ぎ、世代交代の時期でもあるので、ライバル心は持ちつつ、協力しあっていきたいですね。

※HPよりお写真をお借りしております。