【花野果】島に恋した2人。お菓子で、明るく元気に食文化をつなぐ

【会社名】五島列島の小さな菓子工房 花野果
【住所】〒857-4513 長崎県南松浦郡新上五島町丸尾郷968-6
【主な事業内容】食品の製造・加工および販売
【HP】こちら
【取材先】岡本幸代(代表)、竹内紗苗
かんころ餅づくりは島民の大切なコミュニケーション
――どんな事業をやっていますか。
長崎県・五島列島にある新上五島町で特産品の「かんころ餅」や「ふくれまんじゅう」などを手作りしています。
お店は、〝花野果〟と書いて〝ハナヤカ〟と読みます。今から14年前、私たちの先代である島の元気な女性たちが、「野菜や果物など島の恵みを使って特産品を作りたい」と、この名前を付けたそうです。
先代からお店を受け継ぐときに、「かんころ餅だけは続けてほしい」とお願いされました。
実は島の人たちにとって、自分たちでさつまいもを育てて、かんころ餅をつくって、子どもや親戚に送るというのが1年に1度の大切なコミュニケーションなんです。でも、かんころ餅をつくるのは重労働なので、だんだん家ではできなくなってきて。そのため先代の頃から、大事なサツマイモを花野果に預けて頂き、かんころ餅になるのを楽しみにしてくださっています。今でも毎年80件くらい注文があります!

昔ながらのものに新しい要素を。もちろん、島の素材で!
――生産にあたり、素材や製法・工法へのこだわりがあれば教えてください。
島のものを大切にしていきたいので、素材もなるべく島のものを使っています。例えば、「ふくれまんじゅう」の中に入れる芋餡のサツマイモも自分たちで育てたものをつかっています。他には、島で獲れるイクリ(すももの一種)、トビウオ、塩やお豆腐も島でつくったものを使っています。

また、昔ながらのものに新しい要素も加えて、いろいろな人に楽しんでもらいたいと思っています。例えば、「手のひらかんころ餅」や「かりころ餅」。「かりころ餅」は原料が100%かんころ餅のお菓子です。かんころ餅って大きくてすぐに食べられないし、焼かないといけないというひと手間かかるお菓子なんですよね。ですので、すぐに食べられるものを作りたくて、かんころ餅を焼いてチップスにした「かりころ餅」が誕生しました。

――最後に社団に期待することがあれば教えてください。
離創協のSNSであげてくださっているように、つくり手をピックアップしてほしいです。こんな人がいるよーとか、こんな人住んでるよーとか。例えば真鳥餅店さんも、こんな家族でやってるんだなぁって親近感を持ちました。私たちなんてまだまだ無名なのに会いに来てくださってありがとうございます。島にはもっと素敵な人もいるので、ぜひお願いします!
